◆あなたのかかりつけの歯科医院では、キーンという音を出して歯を削る道具(ハンドピースといいます)を、一人一回づつオートクレーブ滅菌(高圧蒸気滅菌)してくれていますか?
◆もしそうでないなら、あなたは前の患者さんの血液やダ液、プラーク(細菌)などを歯を削る時に、口の中にまき散らされているかも知れません。
◆実験で分かった事ですが、ハンドピースは高速で回転する為、止める時に陰圧がかかって、周りの水や血液をハンドピースの中に吸引してしまうからです。今ではこれを止めるストップのついたハンドピースもありますが、アルコール等でふきとっただけでは、恐ろしいB型肝炎ウイルス等は、残ってしまうのです。

◆病気の人の血液やダ液によって、多くの感染症がおこることは今や常識になっています。日本で多いB型肝炎は特に感染力が強く、最高で10,240倍に薄めた血液でも感染する事がわかっています。
 血液からの感染予防のビデオ

◆アメリカでは「キンバリー事件」といって、歯科医院でエイズが感染された例があります。
◆ではどうしたら安全に治療を受けられるでしょうか。それは、一人一回づつオートクレーブ滅菌されたハンドピースを使ってもらう事です。医院にとっては、大変な費用、手間がかかりますが、現行の健康保険制度下では採算がとれないので、一人一回づつの消毒は実施されない例が多いと思います。ハンドピースは外科医のメスと同じです。前の患者さんの手術に使ったメスの血液をアルコール等でふいて次の患者さんに使う医者はいるでしょうか?今やっと医科の方でも、内視鏡(胃カメラ等)のエチレンオキサイドガス滅菌の必要性が叫ばれています。薬液消毒だけでは、十分な滅菌とは言えないからです。
でも、自費診療(患者さんに実費をお支払いいただく方法)では、この滅菌消毒が完全に行えます。


歯の神経の治療を受ける時、歯にゴムのカバーをかけてもらった事がありますか?
当院ではゴムのカバーを使用しています。

◆ムシ歯が進行すると、歯の神経(歯髄)にまで感染してしまう事があります。とてもひどいズキズキした痛みを伴い、夜も眠れない程です。
◆このようになってしまうと、神経をとってしまうしかありません。
◆また、以前に神経をとってしまった歯が痛みだすこともあります。この場合には、神経をとった後の管(根管)が感染しているので、消毒しなければ治りません。
◆どちらの処置も口の中で行うので、ダ液や細菌から感染しないようにしなければキケンです。
◆また、細い小さな針を使って、神経のあった管(根管)を掃除する時、器具を落として飲み込んだら大変です。
◆強い消毒剤を使う事もあるので、口の中で舌や頬に薬が触れると、やけどをしてしまうかも知れません。
◆でも大丈夫です。ゴムのカバーをかけて、治療する歯だけを外にだして、口から隔離してしまう方法があるからです。
◆この方法だと、こんなキケンな器具や薬を使っても安心です。又、神経の管(根管)がダ液や細菌で感染する恐れもなくなります。
◆当院では、神経の治療には歯が残っていれば全てゴムのカバーをかけて、(ラバーダムといいます。)安全性を高めています。だから、治療後の感染による痛みや不快な事はほとんどありませんので、ご安心下さい。


歯を削られる時に出る粉じんやキナ臭さを取り除く器具(口腔外バキューム)を使用しています。
◆高速で歯を削る道具(ハンドピース)ができた為、歯を削る時は、金属片や歯の削りかす、血液、口腔内細菌等がスプレー状にあなたの口の回りを飛び交います。
顔や目、口、鼻に散って、とても不快です。でもこれらは不快なだけでなく、体(肺)にとても悪い粉じんなのです。小さなバキュームだけではこれらは取りきれないので、当院では11年前から「デンパックス」とよばれる、大型の口腔外バキュームを口腔付近につけて、これらの汚染物質を効果的に吸引、除去して、あなたの肺や目、鼻に、歯や金属、細菌等の切削粉じんが入らないように予防しています。ですからとても安全です。

「待合室が清潔であること」が示すもの
待合室は医院の顔です。待合室が清潔な医院は治療室なども清潔で、院内感染対策も十分に行われていると考えても間違いはありません。当院はこうした考えで清潔な環境づくりに努力しています。

**当院が行っている院内感染対策の一つの例**
当院では6年前からスリッパを殺菌灯のついた器機に入れ殺菌しています。多数の人々がスリッパを共有で使用すると、水虫などの病原菌が感染することがあるからです。2004年の4月から最新型の殺菌器を、医院の入り口に設置しました。 使い方は、器機上部の赤いボタンを押すだけです。殺菌されたスリッパが自動的に出てきます。清潔なスリッパです。安心してご利用できます。

当院では、病原菌やウイルスの感染を防ぐ器具を 使用しています。その一例をお知らせします。
もし患者さんが病原菌やウイルスを持っていますと、患者さんの唾液や血液に、それらが含まれていることがあります。その唾液や血液が医師や歯科衛生士の手から物、物から物へ移りそれが、ほかの患者さんに移ると、感染してしまいます。これを防がなければなりません。そのため、当院では、さまざまな感染予防の器具を導入しています。

歯の型を採る材料を練る時、自動錬和器を使います。

当院では、入れ歯用の歯の型を採るときに使う材料(これを印象材といい、素材はアルギン酸やシリコンです)を練るときに直接手を触れないように自動錬和器を使っています。

採った歯の型を薬液消毒します。

歯の型を作るとき、練った印象材を患者さんの口に入れ、歯型を取ります。この過程で、歯型には患者さんの唾液や血液が付着します。これを消毒するため専用の薬液消毒器を使います。

石膏を歯の型に真空埋没器で注入します。

次に、感染予防の済んだ歯型に真空埋没機を使って石膏を注ぎます。ほとんど手を触れることなくでき、安全で精度の高い歯型ができます。感染予防のしっかりできた模型を技工士さんに渡します。


自動錬和器、薬液消毒器、石膏埋没器を使うことで、義歯の仕上がり精度が上がっています。