<1999年7月>
個人差があるムシ歯予防2


最初にムシ歯になった原因を知ってもらい、その原因を除いてから治療に入る、これが理想的な歯科医療の姿です。
ムシ歯は食生活や、ダ液の量や性状に左右されます。そのために、ダ液の検査や、食生活の質問を私たちは行って、ムシ歯にかかりやすいかどうか、どんな方法で、一日何回歯の手入れをすればよいかなどをお話しします。
正しいやり方で歯を守りましょう!

ムシ歯予防に必要!ダ液の検査と食事の質問

ダ液の検査
ミュータンス菌 砂糖を食べてネバネバをつくり、歯にバイ菌がくっつきやすくなり、このネバネバのなかで酸ができて、歯を溶かします(ムシ歯)。この菌が多い人はムシ歯になりやすく、要注意です。

ラクトバチラス菌この菌が多い人は砂糖を多くとっていることを示し、また、未処置のムシ歯が多いことが分かります。

緩衝能の測定食事をすると口の中は酸性になり、ムシ歯になりやすくなるので、これを中和するダ液の能力がどのくらいあるか調べます。

唾液の性状と量サラサラで、量が多いほどムシ歯の危険性が少なくなります。

食生活の質問
食生活とムシ歯はおおいに関係があり、特に砂糖をどの程度、そして砂糖が口の中に停滞する時間的なことを知る事により適切な予防方法を決められます。

自分に合ったムシ歯予防を見つけよう!

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<1999年8月>
歯の神経はとらない方がよい2

1.なぜ神経はとらない方が良いのでしょうか

(1)神経をとってしまうと歯がもろくなり、歯の根が割れやすくなるからです。
(2)再度ムシ歯にかかっても、痛みを感じないので判らないうちにムシ歯をひどくしてしまうのです。

2.なぜ昔は神経をすぐとったのか

昔はムシ歯の穴の中にいる細菌がよく判らず、露出した神経を残そうとして薬をつけてふたをすると、必ず神経が死んでしまい、その後の経過が悪いことが多かったのです。だからムシ歯の穴から少しでも神経が出てしまうと、すぐとってしまったのです。
3.なぜ今は神経をすぐとらなくても良いのか

細菌学と培養法の進歩で、ムシ歯の穴の中に居る細菌の多くが空気(酵素)の嫌いな細菌(偏性嫌気性菌)と最近わかりました。その結果、細菌に効く薬を選べるようになり、歯の神経を保存できるようになりました。従来の方法では効かなかった理由も、薬の選び方が悪かったからです。
4.どんな薬が効くのでしょう

今では嫌気性菌に特異的によく効く薬を3種混ぜて、使用しています。(3Mixといいます)その薬を使うと、今までなら死んでしまった歯の神経が助かる場合が増えました。その結果、生きた神経として残せることができるようになり、大きな冠をかぶせたりする必要が少なくなったのです。


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<1999年9月>
タング・プラークコントロール(舌のおそうじ)してますか

タング(舌)・プラークコントロールとは
舌の表面にたまったバイ菌の層をひっかいてとることで、1830年頃から行われていました。
舌の表面はどうなっているの
舌の表面はじゅうたんのように、ひだがあり、ひだとひだの谷間にバイ菌や細胞や血液、唾液、食べかすがたまり、これが、空気の嫌いな嫌気性菌によって分解され揮発性硫黄化合物になります。
口臭の原因の一つ
分解された揮発性硫黄化合物は硫化水素(卵が腐った時出す臭い)が多く、口臭の原因になってしまいます。ムシ歯、歯周病を治しても口臭がある場合は舌のプラークコントロールをしてみて下さい。
どんな道具を使うのですか
歯ブラシで舌をこするのは適しません。バイ菌を舌のひだの中へ押し込んでしまい、逆効果になります。図のような、クリーナーを使って、奥から前に力を入れずに2回こすります。
一日何回手入れをすれば良いのですか
喫煙者、口臭のある人は一日2回、一般的には一日1回で十分です。

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<1999年10月>
食べることは元気のもと

食べられない
人間は歯を失うと、「あぁ自分も年をとったなぁ」と老化を意識するぐらいですみますが、野生動物は、そうはいきません。百獣の王、ライオンでさえ、牙を失えば餌が捕れずに死んでしまいます。人間は火を使って食べ物を柔らかくしたり、包丁を使って食べ物を柔らかくしたり、包丁で切ったりする調理を知っています。さらに良い入れ歯が入れば、なんでも食べられる様になります。だから歯を失っても死ぬことはないのです。でも、できればご自分の歯がもっと良いですね。歯を大切にしていつまでも元気でいましょう。
ロバの一文字号と入れ歯の話
日中戦争で活躍したロバの一文字号は、上野動物園の人気者でした。でも1963年当時、生後29年、人間の齢では90歳にもなり、特に前歯がすり減って無くなってしまいましい、豆乳入りのお粥しか食べられなくなりました。ロバにとって前歯は食べ物をつかんで口に持ってくる人間の手に相当します。また、前歯は草を噛みきる包丁の代わりもします。歯をなくしてからはすっかり弱ってしまい、毛並みも悪く、外にも出なくなってしまいました。心配した林園長が東京医科歯科大学の石上教授にお願いして、特製の入れ歯を作ってもらいました。大変な苦労の末、入れ歯が入った一文字号は、青草入りの餌が食べられる様になり、体も引き締まり、びっくりするほど元気になりました。その後2年間、元気に動物園の人気者として活躍したそうです。あなたも、もし歯を失うことがあっても、よく合った入れ歯が入れば、もう大丈夫です。
栄養剤の点滴をやめたら元気になった
札幌のある老人病院で、寝たきりの老人たちの栄養剤の点滴を外して、できるだけ口から食事を取るように介護の人たちが努めたところ、多くの老人たちのボケが治り、自分で歩ける様になった人もいるそうです。口から食べることは、生きることの基本なのです。健康のために又、おいしく食べるために歯を大切にしましょう。

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<1999年11月>

「歯に信頼」のマーク

最近の研究から3度の食事以外に間食や夜食、ジュースなどを口に入れる機会が多かったり、時間が長いとムシ歯発生の危険が高くなることが分かりました。
日本トゥースフェレンドリー協会では食べてから30分以内に歯垢の酸性度pHを5.7以下にしない(ムシ歯にしにくい)製品に「歯に信頼」のマークを与えています。
ムシ歯になりにくいお菓子の選択はムシ歯予防の一つです。

子どもの歯をムシ歯から守りましょう!
日本トゥースフェレンドリー協会022(265)5757

間食がムシ歯の多くな原因

ビペホルムの研究
スウェーデンのビペホルム病院で行われた研究から、食事の時間に甘いものを食べた時と、食事と食事の間に甘いものを食べた時では、ムシ歯の発生率が大きく違うことが証明され、ムシ歯の発生には間食がいけないということが分かりました。
なぜ毎日の食事の時はムシ歯が発生しにくいのか
普段の食事の時にも糖分はとっています。これらの糖は歯垢のバイ菌によって分解され酸をつくり歯垢を酸性度(pH)5.5以下にして歯のエナメル質を溶かします。でも、一般的には食事中は唾液がいっぱい出るので唾液によって歯垢中の酸が中和され酸性度(pH)が下がり、唾液中のカルシウムが歯の表面に再び沈着し(再石灰化)すぐにはムシ歯にまでなりません。
ムシ歯予防の決め手
規則正しい食事と、できるだけ間食を避けることです。間食をとるときはダラダラ食べないで、時間を決め、よく噛んで唾液を出すような食品にしてください。寝る前は糖分を含んだものを食べたり、飲んだり絶対にしないこと。歯ブラシやフロスなどによるお口の清掃とよく噛んで唾液を出すことが決め手です。

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<1999年12月>
歯が何本ありますか

[80-20]は夢の夢、[80-3.5]が現実です

80才までに20本の歯を残そうという厚生省のスローガンがあります。でも現実には、日本の80才のお年寄りの平均歯数は何と3.5本[80-3.5]なのです。(平成5年)こんなに歯科医学が進み、国民皆保険で歯科医院が多いのになぜ?と不思議ですね。
痛い時だけ歯科医院に通っていませんか?

40〜50代から急に歯を失うスピードが早くなります。これは主に歯周病と、ムシ歯の再治療が原因といわれています。ムシ歯も歯周病も、糖尿病等と同じ生活習慣病なのです。だから毎日のお手入れと専門家のチェックが必要です。痛んだり、腫れたりした時にしか歯科医院に行かない人が一番歯を失う事になります。あなたはどうですか?
歯のホームドクターを持ちましょう

あなたのかかりつけの歯科医院には、あなたの過去の病歴を記録したカルテや、X線などのデーターがあります。歯科医師と歯科衛生士による定期的な検診と(少なくとも年2〜4回)専門的な清掃を受け、自分が行っている毎日のおそうじのチェックをしてもらいましょう。

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